「教えないから人が育つ」病院人材育成手法(4)


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これまで、病院人材育成手法について記事を書いてきました。

(1)病院の人材育成に関する全体論
(2)採用に関して
(3)愚者の演出について を考えてきました。

今回は、人材育成の本質の部分「やりがい」について考えます。

 

やりがいを求める人を探る

給与など処遇目当てに来る人ではなく、
「やりがい」を求めて就職しようとする人をどのようにしたら採用できるか。
基本的には、ここからスタートします。給与が高いから、この組織を選びました。なんて言われると、「ゾっ」としますよね。

初任給を安くして、やりがいのある組織を作り上げればいいわけです。
組織の隅から隅まで全て見せて、全てのスタッフに合わせて、最終的に決断してもらう。
こんな採用を出来れば、最低限、2年、3年でやめるスタッフは事前に選別できます。

専門職が多い職場である病院において、
各人の「やりがい」とは何なのか、これを常に意識することが大事です。

病院経営者のあなたにとっての「やりがい」は何ですか?
まずはここからスタートです。

あなたの「やりがい」を一緒に働くスタッフ達に、ぜひ発信してください。
それが、長きにわたって健全経営できる病院への近道です。
なかなか言葉で表せないことが多いように感じます。
あなたの「やりがい」が運営の方向性を決め、経営計画を決めます。
その方向性にあったスタッフが集まってきますよ。

給与や処遇だけではない、そんな組織を作りたいですね。

 

どうやったら人はやりがいを感じて働くことが出来るのか

さきほどの質問と同じです。
あなたの職場のスタッフに「やりがいは何ですか?」と聞けば、
どんな答えが返ってくるでしょうか・・・。

組織の理念に近い言葉が返ってくるでしょうか。
それとももっと具体的な専門職としての答えでしょうか。

特に若い方々は、明確な答えは無いと思います。
昔の自分を振り返っても、目の前の仕事に追われていて精一杯です。
プライベートはゆっくり休みたい、映画でも見たい。そんな感じでしょう。

これは人間力が高まっていないからです。

「やりがい」を感じるのは、人間的に成長して熟成しないと、理解できません。
救急の場面で、精一杯、助ける仕事をするのがやりがいです。
こんな感じで即答出来る方は、たとえ成長途中の若い方であっても、
人間力が高まってきている証拠と言えるでしょう。

人間力が高まらないと、なかなか自信をもって発言できません。

ぜひお薦めしたいのが、仕事のスキルなどだけではなく、
組織として、「あなたの人間力を高める支援をします」という感じで、
サポートする仕組みです。

手段は、研修であっても、余暇時間の提供でも、何でもいいです。
仕事以外のライフに関するサポートもいいと思います。

そんな事を考えている、「やりがいの源泉」は何なんだろう?という所に落ち着くはずです。

 

やりがいの源泉について考える

・スタッフを信頼して全てを任せる。
・チームの決定に対しては、経営者側がダメ出しをしない。
・失敗することを許容する。
・責任と権限、失敗することも尻拭いすることも権限という理解。
・スタッフに権限を持たせて、自由裁量権を渡し、結果をすぐにフィードバッグ。

やりがいの源泉というのは、結局はこういう事だろう。
自分で物事を決めて、自分で尻拭いする。これが人間力を高める取り組みです。

・自立して仕事してくれるスタッフを育てたい。
・責任をもった仕事をしてもらいたい。
・他人に自慢できる組織をつくりたい。

あなたの組織のスタッフは、どこを向いて仕事していますか。

2016-03-07 | Posted in 経営サポートブログComments Closed 

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