東大発!異才発掘プロジェクト
東京大学が行っているROCKETプロジェクトをご存知ですか?
先日、東京大学先端科学技術センターROCKETプロジェクトリーダーの福本先生の講演をうかがう機会がありました。
ROCKET(Room Of Children with Kokorozashi and Extra-ordinary Talents)とは、東京大学が行っている「異才発掘プロジェクト」です。
突出した能力はあるものの、現状の教育環境になじめなくて、不登校傾向にある小学生・中学生を選抜して、学習と生活のサポートを提供するプログラムです。
2014年、将来の日本をリードして、イノベーションを起こす可能性のある異才を育み、創成することを目的に日本財団と、東京大学先端科学技術研究センターの共同プロジェクトとしてスタートしたそうです。
約600名程度の応募者の中から、十数名が選出され、東京大学の構内で、1年間のプログラムを受けてきます。
選出された子の多くは発達障害を持っています。
それぞれに「特異な能力」を持っていても、今の教育の中では「扱いにくい子」として、自信や自己肯定感を持てずに、つぶされてしまいがちな子どもたち。
発達障害を持つ子どもたちは、大人にとって扱いにくい子が多いです。大人になって、一般社会で、サラリーマンとして生活しようと思うと、大きな困難にぶつかる人も多いでしょう。
ROCKETプロジェクトでは、そういった子たちの「特異な能力」を伸ばしていくこと、雇われるのではなく、起業家として、この社会で生きていく人材に育てることに視点を置いています。
講師はそれぞれの業界のトップアスリートたち。宇宙飛行士、建築家、社会起業家、美容師etc…。
2016年、子どもたちに与えられた学びのミッションは、
①北海道の大地で炭焼き釜を再生し、最高の炭を作れ!
②最果ての地にある、現代にないものを探しに行け!
友だちはいらない、一人よがりでいい、非常識を楽しめ、子どもを挑発する…ROCKETが子どもたちに教えることは、まさに「ここ」でしか学べないこと。
ROCKETでしかできないやり方で、ROCKETでしか得られない学びと経験を積み重ねていく。
「人と違う」
この言葉が意味することが、日本では生きづらさの根源となります。
「普通」
ということばに、無意識に安心感を覚える人がどれほどるでしょうか?
昨年度、ROCKETプロジェクトの子どもたちでドイツのアウシュビッツ収容所を訪れたそうです。
社会全体の認める価値が、ある一つの目的を目指すとき、多くの人は自分の意思を持つよりも、多勢に巻き込まれることを望む…。
なぜなら、流れに沿わないことは、社会的なリスクを負うから。
今の日本も、ナチス独裁下の空気感と大きくは変わらないのかもしれません。
はみ出た子たちを矯正し、元の線路に戻すのか?
はみ出た先の道を開拓することを許すのか?
日本の最先端で、「人と違う」ことが認められていく。
誰かと違っていても、認めあえる社会、みんなが健やかに生きられる社会を築くための大きな大きな一歩です。