障害者就労支援施設見学/~LITALICOワークス~


不定期で開催している施設見学、今回は神戸にある障害者就労支援施設(就労移行支援)LITALICOさんに見学させていただきました

 

株式会社LITALICOさんは、障害者・障害児の支援事業や子どもたちの学習塾などを全国的に行う新鋭の福祉事業者です。
設立は2005年。わずか12年で事業の全国展開を成功させ、1000名を超えるスタッフを雇用しています。

たくさんの事業のうち、障害者の就労支援サービスを提供しているLITALICOワークスは全国に55か所。関西には12か所展開されています。

 

「世界を変え、社員を幸せに」

LITALICOさんの企業理念は「世界を変え、社員を幸せに」
社員を幸せになることが、そこにかかわる人たちの幸せにつながる、という基本理念のもとでサービスが提供されています。


奉仕精神の高い医療福祉業界にあっては、その理念も「質の高い医療の提供」「利用者本位」など、患者主体で掲げられがちです。
しかし、支援者の精神的な安定と幸福感は支援を受ける側、医療を受ける側の安心感と満足度につながります。
LITALICOさんでは、中途採用であっても、経験者であっても、入社後約1か月をかけて、企業理念やビジョン、組織の考え方についての研修を受けるそうです。

医療機関、福祉施設の多くは、理念はもとより、組織が向かう方向性もわからないまま現場が進んでいます。
理念やビジョンの必要性が浸透していない現状もあります。
働くスタッフが自己効力感を持って仕事に臨める、その動機付けがあるからこそ、自発的なサービス提供につながるのです。

 

その一人の「働きたい」にこたえること
LITALICOワークス神戸さんは神戸のど真ん中のオフィスビルの中にあります。
それぞれに専用のパソコンを使用し、それぞれの段階に合わせた個別プログラムをこなしていきます。
LITALICOワークスさんでは、通常の個別支援、1対1のケース対応ではなく、独自の就労支援プログラムを作っています。
「準備ステージ」「実習ステージ」「就活ステージ」という3つのステージと、就労後の「定着支援」。
それぞれに担当の支援スタッフが付き、ステージが変わると支援員も変わるという仕組みをとっています。
それぞれのステージに合わせた独自のテキストを使い、支援の流れを可視化し、自分自身の向かう先を想定しやすいようにアプローチされています。
ステージ制をとることで、支援者側の専門性が強化されるというメリットがあるとのことでした。

こちらでは、神戸近郊、阪神間のみならず、淡路島からも、特化した支援を求めて通所されている利用者さんがいらっしゃるとのこと。

「働くこと」は、その人の生きがいにつながります。
働いて誰かに必要とされることで、自信がつき、もっと良い人生を送りたいという意欲が生まれ、人生が豊かになります。
障害者就労支援分野は拡大しているとはいえ、まだまだ供給が追いつ
いていないの現状です。
LITALICOワークスさんでは、障害や疾患名ではなく、一人一人を個として理解し、その人にあったペースで就職までの道のりをサポートすること、その人の「働きたい」に答え続けていく支援を目指しているとのことでした。

 

ダイバーシティ&インクルージョン
みなさんは、障害者就労支援という言葉にどんなイメージをお持ちですか?
就労移行支援とは、企業に雇用されることが可能と見込まれる障害者に対して、就職に必要な訓練や求職活動の支援、適性に応じた職場の開拓、就職後の職場定着の為の相談などを行う事業です。

最近ではダイバーシティ(多様化)やインクルージョン(包括・統合)の考え方で障害者雇用促進の動きもみられています。
障害がある・ない、ではなく、個性としての得意や苦手を活かし、誰もが笑顔になれる働き方を築いていこうという動きです。

 

障害のない社会を作る
LITALICOさんのビジョンは「障害のない社会を作る」こと。
障害は人ではなくて、社会の側にある。社会にある障害を無くしていくことを通して多様な人が幸せになれるという考え方です。

「人はちがう」ということを認められる社会、自分らしく働くことが当たり前になる社会。
そんな社会の実現にむけて、新しい福祉の動きが始まっています。

福祉分野ではまさに「新鋭」と言われる企業の新しい動き。これからもっともっと加速していくことを期待しています。

 

2017-01-14 | Posted in 新着情報, 現地見学ヒアリングComments Closed 

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