医療機関での同一賃金同一労働を考える
みなさんご存知の「一億総活躍社会」
その実現に向けて打ち出された働き方改革の中で女性の活躍の次に注目されているのが「非正規雇用者の待遇改善」です。
非正規雇用者の待遇改善策の一つとして言われているのが、
「同一労働同一賃金」
文字通り、正社員であろうと、非正社員であろうと、「同一労働」、同じ仕事をしているのなら、「同一賃金」、賃金も同じであるべき、という極めてわかりやすい、賃金決定のルールです。
欧米、とりわけヨーロッパでは、契約書などで仕事の内容を予め決めて業務に従事します。
けれども、日本では雇用形態や仕事の仕組みが欧米とは異なるため、日本社会の労働形態に適用するのはなじまない、とされてきました。
賛否両論、さまざまな見解が飛び交っていますが、日経新聞の統計では70%以上が賛成の姿勢を表しているようです。
同一労働、同一賃金。
医療機関に当てはめてみるとどうでしょうか?
スペシャリストよりジェネラリストが求められる昨今、
看護以外の医療専門職は非正規で雇用されることが増えてきました。
診療報酬で点数化されている資格職に対しても、「正規職員」「非正規職員」の記載はありません。
医療機関における「非正規職員」の待遇は、一般のそれとは少し異なっています。
非正規であっても、賃金が低いわけではなく、ボーナスの支給もある。
委員会にも参加し、その病院名で学会発表も行う。
その病院の職歴をもとにキャリアアップをはかることができる…etc。
そういう実態があるため、自分事ととしてとらえられていないようにも思えます。
では、これが人事評価とつながってくるとどうでしょうか?
同一労働・同一賃金がスタンダードになってくると、正規・非正規にかかわらず人事評価を受けるということになります。
組織のためにどんな労働をしたかという成果によって賃金が変わってきます。
すぐに答えを出すことが難しいトピックではありますが、自院のこととして考えなければならない時期はもうすぐそこまで来ています。
次回の研究会テーマ、「No Rating」直接的ではないですが、何かのヒントになるかもしれません。