迫りくる混合介護に備えるために


東京都豊島区が介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」の導入を検討しているというニュースが取り上げられました。

介護保険利用者にとって使いやすいサービスの提供と並行して、介護職員の賃金向上につなげることを目的にしているそうです。

 

厚生労働省では、不明瞭な料金徴収や内容の不明確さで必要な保険サービスが受けられなくなるおそれがある と、慎重な意向を示しているようです。
確かに、混合介護にはさまざまな懸念事項が浮かび上がります。

サービス利用の経済的格差、
市場の過剰な価格競争の促進、
介護知識のない事業者からの不適切なサービス提供…
etc

さらに、生活支援をメインに提供していたヘルパー事業所の閉鎖や大規模事業所への一極集中化など介護者不足を促進しかねない事態にも陥ります。 

 

現在の流れを見越して、これまで介護保険で適用されていたサービスを安価な料金で提供する民間の家事代行サービス業者は増加しています。

 

要介護認定者数の増加や介護職員の不足を背景に、ますます厳しくなる介護業界。家事援助をはじめとする生活支援サービスが介護保険サービス外になることを皮切りに、今後も保険サービス適用範囲の見直しは加速していくでしょう。

 

この時代の中で、これから必要になってくるのは利用者自身の選択する力です。

 

これまでのように、ケアマネージャーから提供される情報に従って、プランを組み立ててもらい、サービスを利用していたのでは、適切なサービスを受けることは難しくなります。 

 

自分に必要なサービスを自分で選ぶ、
利用者自身がその意識をもって介護保険と事業者を見つめていく、

 

自己選択、自己責任の持つ意味が、より濃く深くなっていきます。


地域包括ケアに取り組むサービス提供者側には、保険外サービスも含めた幅広い情報の提供が求められるようになるでしょう。
自己責任を担うサービス提供者の役割、真剣に考えていきたいですね。

2017-01-20 | Posted in 組織と個人とキャリアComments Closed 

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