地域包括ケア時代における特定機能病院の役割


特定機能病院の役割をご存知ですか?

地域包括ケア時代と言われ、在宅医療と地域中核病院の役割ばかりが注目されている昨今ではありますが、その中で高度先進医療を担う特定機能病院はどのような役割を果たしていくのでしょうか。

特定機能病院とは、

●高度の医療を提供する能力を持つこと
●高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を持つこと
●高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること
●定められた診療科を有し、定められた人員要件を満たすこと
●400床以上の病床を有すること
●集中治療室、無菌病室等、定めらえた施設を有すること

など という条件を満たす、いわゆる高度先進医療を行う病院で、現在84病院が認可を受けています。

昨年の地域医療構想策定ガイドラインに関する検討会において、全84病院のうちの96%が高度急性期機能の病床であることが報告されました。
人口が減少している地方の大学病院をはじめ、今後の特定機能病院のあり方についての見直しが検討されています。

地域包括ケアが取りざたされていく一方で、日本の医療の世界へ向けてのアピールや外国からの医療ツアーのニーズも高まっています。
高度な手術を必要とする患者さんももちろんですが、長く経過を診る必要のある難病の方や病名の解明が必要な難しい患者さんも数多く存在するのも事実です。

特定機能病院で、「治療が一段落した」と判断されても、地域中核病院では「重症度が高い」と判断されることも少なくありませんが、もっとも問題視するべきは、特定機能病院で「治療が一段落した」のであれば、地域中核病院は「急性期病院なので」入院下でのフォローはできない と言われることでしょう。

7:1病棟を持つ病院は「急性期病院」なので、急性期を脱した患者の入院受入はしたくない、しかし、患者さんの状態としては7:1看護レベルの病院での医療継続が望ましい、そういうジレンマがあちこちでみられています。
地域中核病院での在院日数の短縮や診療報酬減算の影響で、医療が続かない、高度医療の病病連携が難しい状況が生まれてきています。

高度先進医療はどんどん進めていくべきでしょうし、特定機能病院もその役割を大いに担うことになるでしょう。
そのために、医療機関がその役割を十分に理解し、高度医療の病病連携を強化していくことが今後ますます重要になってくるのではないでしょうか。

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2016-01-19 | Posted in 組織と個人とキャリアComments Closed 

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