「教えないから人が育つ」病院人材育成手法(2)


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「教えないから人が育つ」病院人材育成手法(1)で、病院における最適な人材育成手法の基本を説明しました。もっと詳細まで教えてほしいという要望があったので、連載で継続します。病院で正職員を採用するのには下記の考え方必須です。あなたの病院の採用基準は何でしょう。何のために雇用しているのでしょう。

良い人財を集め続ければ、いつの日か良い組織になる

1.人柄
2.価値観
3.人間力

3つの項目を採用時に重視するという考え方です。学歴でもなく、成績でもなく、適性検査でもなく、この3つさえ良ければ、あとは何とでもなるということです。

1.謙虚であり、素直であり、優しい、「人柄」です。第1優先事項です。

当たり前の話ですが、いくら頭が賢くても、これと正反対のオーラを放っている人とは仕事したくありません。まず、人柄からスタートです。大企業病になると、なぜか人柄は重視せずに、書類選考で学歴など文書面だけで判断していきますね。

2.そして、次に、「価値観」です。第2優先事項です。

あなたは何のために働きますか。これをすぐに答えることが出来る人は少ないです。もちろん若いうちはすぐに答えは出てきませんが、どんな方向を見ているのか、ベクトルが同じでない人がいると、チームワークがとれません。組織が崩れます。人生観、理念、志、物の見方、こういったものが価値観です。戦後、修身学が廃止され、道徳という科目になりました。あなたは小学校の時の道徳の授業は鮮明に覚えていますか?。覚えてないですよね。私の記憶では、道徳の授業時間中に、なぜかイジメの話し合いをしたような記憶があります。幼少期に価値観を熟成するような環境が無かったわけですから、しっかりと採用時に把握する必要があります。

価値観が異なる人材がいると大変です。全てが狂います。いくら上手に話し合っても、ファシリテートしても、そもそもの考え方が異なるんですから、大変です。大人になれば、自分の意見を殺して、上司の・・・、組織の・・・、意見に従いますが、価値観異なれば、もう何も楽しくありません。

3.そして、感じる力、気づく力、考える力、が「人間力」です。第3優先事項です。

行動力、探究心、ワクワクする心。なかなか難しい項目ですよね。たかが10分程度の面接で、作られたメッセージのやり取りでは、たぶんわからないです。いきなり雑談をし始める人とかいますけど、これは多様な側面から見れば、人間力が高い人かもしれません。違うかもしれません。もうこれはギャンブルですね。

この説明した3つの要素をしっかりと把握するためには、どんな事をすればいいのかわかりますか。そう、答えは、

「いかに多くの時間を一緒に過ごすか。」

もうこれに尽きます。時間かかります。面倒だと最初は思います。えいやー、と採用したくなります。でも、その人、あなたの組織と同じベクトルですか。話は変わりますが、毎日一緒にいる家族ですら、娘の考えていることなんて、さっぱり分からない・・・。こんな事を言っている親は、採用や人事の仕事はしないほうがいいですね。他人に興味が無いのですから、失敗するだけです。会話しなくても、子供が考えていることは把握できるのでしょうし、どんな行動しているのかも推測することは出来るでしょう。それが人間力だと思います。

採用前に、多くの時間を過ごす工夫は色々なものがあります。よく利用されるのは、長期インターンシップですね。それぞれの組織で頑張って考えてください。やはりご飯を一緒に食べるのが一番です。内定を出してからでも、いくらでも取り組みできます。1週間に1回はアルバイトをしてもらう。何でも出来ますね。内定出して、半年以上、何の関わりもとらない。もうこれ自体が不思議でたまりません。本当に仕事したいと思ってますかね。その組織で仕事したいなら、早くアルバイトでも何でもしたいと思うのが、人間力の高い人間です。半年もあれば、病院も会社も時代が変わります。あー、蓋をあけて、実は業績悪くなりました、なんて言われても怖いですね。いま、普通に動いている世の中の仕組みは、よく考えると、不思議なものばかりです。

今回のテーマは、「良い人財を集め続ければ、いつの日か良い組織になる」でした。人事は大事です。医療法人においては相続は、同族の流れが一般的です。しかし、早くても相続は30年の間隔があります。一人親方のクリニックであればリレー形式で守れますが、病床が100以上もあれば、色々な人財が組織を支えることになります。問題対処ばかりしていると、人材は育ちません。本質の課題はどこにあるのか、ぱっと研修して解決することはありません。人事の考え方を整理して、長期的に安定する病院をつくってください。

 

2016-01-13 | Posted in 経営サポートブログComments Closed 

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